債務整理がローンに与える影響と手続きしたあとにローンを組む方法

「債務整理をするとローンで購入したものはどうなる?」
「ローン返済中でも債務整理できる?」
「債務整理したらローンは組めなくなる?」

と、みどり法務事務所では多くのご相談をいただきます。

債務整理は、利息で増えた借金を返すのが大変な方や、返済で生活が苦しいといった方のためにある借金を減らす法的手段で、主に過払い金請求、任意整理、個人再生、自己破産、特定調停と5つの種類があります。

それぞれの債務整理は手続きにかかる期間や方法が異なっていて、手続きによってはローンに影響する場合もあります。

そのため、債務整理の種類や手続きについて正しく理解していなければ、カーローンなどのローンを組んでいるものを引き上げられてしまう可能性があります。

しかし、債務整理の種類によっては、ローンで購入した商品や住宅、車はローン会社に回収されてしまう可能性があります。みどり法務事務所では、手放したくない商品のローンを手続きから外すことで、手元に残す方法など、相談者様にとって、最適な債務整理になるようなご提案をさせていただきますので、まずは気軽にご相談ください。

ローン返済中に債務整理すると

債務整理をすると返済中のローンは引き上げられる

ローンの返済中であっても、債務整理することはできますが、住宅ローンや自動車のローンの返済が終わっていない場合、ローン返済中である住宅や自動車を債務整理をすると住宅や自動車は引き上げられます。

しかし、債務整理の種類によっては住宅ローンや自動車のローンが残っていても回収されない場合もあります。

債務整理をしても住宅や自動車を残す方法

債務整理には4種類あって、

  • 手続きする対象を選べる「任意整理」「特定調停」
  • 住宅ローン特則を使う事で家を手放さずに借金を大きく減額できる「個人再生」
  • 財産の多くを手放すことになるが、借金をゼロに出来る「自己破産」

があります。それぞれの手続き方法にメリットとデメリットがあるため、借金の状況やローンの返済が残っているものを回収されてもいいのか、手元に残しておきたいのかによって最適な債務整理を選ぶことが大切です。

債務整理のデメリットとメリットについてくわしく確認

ローンが残っている住宅や自動車を手元に残せる任意整理と特定調停

任意整理と特定調停は、司法書士や弁護士に依頼して、もしくは自分で、貸金業者と今後発生する利息をカットと、借金の返済期間をのばす話し合いをします。

貸金業者との話し合いで和解ができれば、原則として今後発生する利息をカット、借金の返済期間を3年~5年程度にのばして毎月の返済額を減らすことができます。

任意整理と特定調停は、手続きをする貸金業者を選べるので、返済中のローンを手続きの対象から外すことがで、ローンが残っている住宅や自動車を手放さずに借金を減らせます

ローンが残っている住宅を手元に残して大きく借金を減らせる個人再生

個人再生は、司法書士や弁護士に依頼して、もしくは自分で、個人再生申し立て書・借金総額の何%を返済するか、毎月の返済額、返済期間が書かれている再生計画案などの必要な書類を準備して、裁判所に提出します。

再生計画案が裁判所に認められると、今後発生する利息のカットしたうえで、借金の元本を最大で90%減らせます。残った借金を原則3年(最長5年)で返済することで、減らした借金は免除されます。

個人再生は住宅ローンの返済が困難になっている方が利用できる「住宅ローン特則」を利用することで住宅ローンの返済を続けられるように返済スケジュールの組み直しをおこなうので、住宅を残したまま、住宅ローン以外の借金を減らすことができます

ローンが残っている住宅や自動車は回収されるが借金はゼロになる自己破産

自己破産とは、司法書士や弁護士に依頼して、もしくは自分で、自己破産申し立て書などの必要な書類を準備して、裁判所に提出します。自己破産が裁判所に認められると、借金をゼロにできます。

自己破産をすると返済が残っている住宅や自動車は引き上げられてしまいますが、すべての財産が回収されるわけではなくて、99万円以下の現金、20万円以下の自動車や預金、家財道具など生活に最低限必要とされるものを残すことはできます。

債務整理中にローンは組めるのか

債務整理の手続きをするとブラックリストに載るので、債務整理をおこなっている最中に新しくローンを組む事はむずかしいです。

債務整理はブラックリストに載りますが、ブラックリストというものが実際に存在するわけではなくて、クレジットカードや借り入れ、ローンの契約内容や借り入れ日、返済期間などが登録されている信用情報に、返済が遅れた、返済できなくなったなどの事故情報が記載されることを「ブラックリストに載る」といいます。

貸金業者はローンや借り入れを申し込まれたときに返済できる見込みがあるかどうか、信用情報を保管している信用情報機関に問い合わせて、お金を貸すかどうか判断しています。

そのため、貸金業者が信用情報機関に問い合わせて、ブラックリストに載っていることが確認できると、返済される見込みがないと判断する場合があるので、借り入れやローン、新規のクレジットカード作成を申し込まれても、審査を通さない場合があります。

債務整理で事故情報を登録している信用情報期間

信用情報機関とは、個人の信用情報(年齢・住所・職業・年収・クレジットカードの利用履歴・借り入れ・返済履歴など)を蓄積している機関のことです。加盟会員である貸金業者やローン会社、信販会社は信用情報機関に問い合わせて、登録されている信用情報を参考にお金を貸すかどうか判断しています。

日本には3つの信用情報機関があって、それぞれ加盟している貸金業者や事故情報として登録される情報や載っている期間が異なります。

日本の信用情報機関3社

株式会社日本信用情報機構(JICC)

日本で最も古い信用情報機関で、消費者金融会社や信販会社が利用しています。消費者金融系の信用情報機関だった全国信用情報センター連合会とテラネット、CCBが統合した信用情報機関です。

株式会社シー・アイ・シー(CIC)

信販会社やクレジットカード会社が利用している信用情報機関です。信販会社が多く加盟していますが、銀行系金融機関や消費者金融も加盟しています。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)

銀行や銀行系クレジットカード会社、銀行系の信用保証協会のほか、農協、信用組合、信用金庫などの金融機関が加盟している信用情報機関です。KSCだけは他の信用情報機関と違って、延滞・滞納による事故情報の登録だけでなくて個人再生や自己破産の官報情報も登録しています。

信用情報機関に登録される事故情報と登録されている期間

CIC JICC KSC
61日以上の延滞・滞納 5年 1年 5年
3か月以上の連続した延滞・滞納 5年 5年 5年
債務整理(任意整理・特定調停) 記載なし 5年 記載なし
個人再生 記載なし 5年 10年
自己破産 記載なし
(ただし破産申請したことは記載される5年)
5年 10年
強制解約 記載なし 5年 5年
代位弁済 記載なし 5年 5年

※表に記載されている事故情報の登録期間は最長のものです。

ブラックリストに載ると新たにローンを組むことはむずかしくなりますが、返済の残っているローン以外の借金を債務整理をしたことでブラックリストに載ったとしても、返済中のローンに影響はありません。一括返済を迫られたり、家や自動車を引き上げられることはありませんので、住宅ローンや自動車のローンを返済中の方もご安心ください。

また、ブラックリストに載っている間は新規のローン契約はむずかしくなりますが、貸金業者が経済状況などを総合的に見た上で貸しても問題ないとがあると判断されると、事故情報の登録期間が終わる前でも新たにローンを申し込むことが可能なケースもあります。

仮にブラックリストに載っていることが理由でローンの申し込みを断られたとしても、ずっとローンが組めないわけではありません。

債務整理したあといつからローンを組めるか

債務整理をしてブラックリストに載ったとしても、債務整理の手続きをして減額された借金を完済していれば、完済から5年から10年で程度でブラックリストの登録情報は削除されます。削除されたあとであれば、債務整理をしたことが理由で住宅ローンや自動車のローンの審査が通らないことはありません

ローンを組む前に確認すべき注意点

「個人情報の開示請求」

ローンを組む前に、自分の信用情報がどうなっているかを信用情報機関に確認しておく必要があります。

信用情報機関には事故情報が登録されていますが、登録をおこなうのは加盟している各貸金業者・金融機関なので、まれに誤った情報が登録されている場合や、債務整理をした事故情報が、削除されずに登録されている場合もあるので、間違った事故情報が登録され続けていないかを確認しましょう。

間違った事故情報が登録されている場合、信用情報機関に申請をすることで削除してもらえます。

また、事故情報が登録されていなくても、1、2日の返済の遅れを何回も繰り返している場合は、返済能力がない、返済の意思がないと判断されて、事故情報に記載されてしまうこともあります。

返済能力がない、返済の意思がないと判断されて、事故情報に記載されてしまうと、ローンの審査にも影響がでてしまいます。さらにローンに落ちた場合、「ローンの審査に落ちた」という事実が新たに信用情報機関に登録されてしまうので、新たにローンの申請をおこなう前に信用情報を確認するべきです。

事故情報が消えているのにローンが組めないケース

債務整理をしたあと、事故情報が削除されているにも関わらずローンの審査が通らない場合があります。

多くの貸金業者は、自社で取引をした履歴を削除せずに保有しています。そのため、債務整理をするとその情報は、半永久的に社内に残ってしまいます。そのため、債務整理した貸金業者にローンの申請をしようと思っても審査に落ちてしまう可能性が高くなります

また、貸金業者1社だけ債務整理をおこなった場合でも、貸金業者の関連会社で住宅ローンや自動車のローンを組もうとしても、審査に影響する可能性もあるので、債務整理した貸金業者と関連会社はさせてローンの申請をするべきです。

債務整理をしても新たにローンを組むことはできる

債務整理をしても返済が終わってから5年から10年経てば、債務整理をしたことで登録された事故情報は削除されて、新たにローンを組むことができます。また、債務整理をしていてもローンを組める可能性もあるので、借金の返済で生活が苦しい場合は、まずは債務整理をするべきです。

債務整理をしてもローン審査が通る場合もある

ローンの審査基準は各貸金業者によって異なります。事故情報の登録があった場合でも、ローンが通ったケースもあるので、債務整理をすると絶対にローンが組めないというわけではありません

債務整理をしたという事情は、あくまで数ある審査基準のひとつにすぎないので、債務整理をして、信用情報に登録されている間でもローンを組める可能性はあります。

信用情報以外にも、所属している会社や年収持ち家なども、一般的に「属性」と呼ばれローンの審査に影響します。

属性には、「本人に関する情報」「仕事に関する情報」「住居に関する情報」「借入れに関する情報」などがあります。

  • 本人に関する情報は
    「年収」「年齢」「保険」など
  • 仕事に関する情報は
    「勤務先」「勤続年数」「雇用形態」「役職」など
  • 住居に関する情報は
    「持ち家」「賃貸」「居住年数」など
  • 借り入れに関する情報は
    「借入件数」「借入金額」など

審査の基準は、会社によって異なりますが、債務整理をしたことが信用情報に登録されていたとしても、属性が考慮されて、審査に通る可能性もあります。また頭金もきちんと用意できるだけの生活再建ができていれば、返済能力があると評価してもらえて、審査に通る可能性が高くなります。

借金を滞納するくらいなら債務整理をしてからローンを組む

ローンを組みたいからといって、債務整理をせずに苦しい返済生活を続けていても、いつまでも苦しい生活から抜け出すことはできない上に、ローンを組む際の頭金を用意することでもできません。

また、返済が滞ってしまえば事故情報として登録されてしまいます。事故情報が登録されればその後のローン審査にも影響します。仮にローンを組めていたとしても滞納が続けば、一括請求されてしまったり、ローンを組んでいる住宅や自動車を回収されてしまう可能性もあります。

ローンへの影響を恐れて債務整理をしないよりも、債務整理をして借金を完済してから、頭金を用意してローンの申請をした方が審査も通りやすくなります

ただし、債務整理は「借金の額」や「返済できるだけの安定した収入があるか」等によって最適な手続きが変わるので、相談者様がどの債務整理をするべきなのか判断がむずかしいので、司法書士や弁護士に相談するべきです。

みどり法務事務所では、自動車や住宅のローンが組めなくなることが心配で債務整理しようか迷っている方や、債務整理したいけど返済中のローンがあってどうしようか迷っている方の悩みを数多く解決してきました。

借金問題のご相談が何度でも無料で承っていますので、相談者様に最適な債務整理やローンの返済方法を提案いたします。まずは一人で悩まずにお気軽に無料の電話かメールフォームからご相談ください。

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