債務整理ができない!?確認しておきたい債務整理の条件

借金問題を解決するための近道である債務整理の条件について説明していきます。

借金の返済を長くしていると、完済が見えずに気持ちが暗くなりますよね。

借金の額が多いと、本当に返せるのか不安になって来ると思います。

債務整理をすることで、そんな生活をリセットして、再スタートすることができるのです。

しかし、債務整理をするためには、いくつか条件があることをご存知でしょうか。

たとえば、借金の総額が少ない場合、選択することができない債務整理もあります。

また、その人の現状の収入や返済能力の有無なども債務整理の条件のひとつです。

このように、ある特定の条件を満たさなければ、やりたくてもできない債務整理の種類があります。

今回は、債務整理をする際に要求される条件について詳しく解説します。

債務整理は、借金いくらから手続きできるのか

債務整理には、任意整理、個人再生、自己破産、特定調停という4種類があります。

この債務整理の種類によって、借金額の条件も変わってきます。

借金額ごとの債務整理

任意整理:借金の総額が20万円以上かつ3~5年のあいだに返済できる額

個人再生:借金の総額が5000万円以下

自己破産:借金の総額が5000万円以上

特定調停:借金の総額が60~100万円くらい

任意整理は借金の総額が大きい場合、収入によって、できる場合とできない場合があります。

返せる見込みのない借金だと、基本的に任意整理はできません。

また、逆に借金が少なすぎても任意整理できないことが多いです。

というのも、任意整理では、利息の免除ができるのが最大のメリットだからです。

借金の額が少ないと、利息の免除をしても減らせる金額は微々たるものになってしまうため、そもそも司法書士や弁護士から依頼を断られてしまうことが多いのです。

任意整理をするためには、貸金業者1社からの借金が少なくとも20万円は超えている必要があるといえるでしょう。

これに対して、個人再生自己破産は、借金の総額が大きくて任意整理ができなかった人が選択する手法です。

個人再生は、借金の総額が5000万円以下の場合に選択できる債務整理です。

ただし、個人再生には借金の総額がいくら以上でないと利用できないといった条件はありません。

そのため、借金の総額が5000万円以下であれば、どのような金額の借金でも個人再生をすることができます。

とはいえ、借金の額が少ないと、個人再生をすることによるメリットは小さくなってしまいます。

一方、総額5000万円以上の借金を抱えている場合は、個人再生はできず、自己破産という手続きになるのが一般的です。

特定調停は簡易裁判所の仲裁を得て、みずから債権者と交渉して借金を整理するという方法です。

裁判所の仲裁を得ているとはいえ、債権者と債務者が話し合いをすることによって問題の解決をはかります。

そのため、対象となる借金の額も、同じく交渉によって問題解決を目指す任意整理とだいたい同じくらいになります。

もちろん、借金を返済できる収入があるかどうかも重要ですが、特定調停では60~100万円くらいの借金があるときに選択されることが多いです。

いずれにしても、債務整理では借金の総額が条件になることが多々あります。

一方で、借入先の数には条件はなく、たとえ1社からしか借入していなかったとしても、債務整理をすることは可能です。

債務整理できる借金

借金の種類によっても債務整理できるかどうかは変わってきます。

自分がしている借金が債務整理できる種類なのかどうかしっかり確認しておきましょう。

銀行カードローン

消費者金融のキャッシングなどと同じように、銀行のカードローンも債務整理をすることができる借金です。

ただし、銀行カードローンは、一般の借金とは性質の異なる部分があります。

たとえば、銀行カードローンの利率が利息制限法を超えて設定されることはまずありません。

一方、消費者金融のキャッシングなどには、利息制限法を超えるような利率が設定されていたことが多々あります。

そのため、債務整理をすることによって、違法な利率により払いすぎた利息を取り戻すことができる場合があります。

しかし、銀行カードローンに対して債務整理をしても、過払い金は、ほとんど期待することができません。

また、銀行カードローンには保証会社がかかわってくるため、通常の債務整理よりも事態がややこしくなりがちという側面もあります。

債務整理をすることで預金口座が凍結されるなど、リスクがあることにも注意が必要ですから、銀行カードローンを債務整理する場合は、預金を別の口座に移しておくなど万全の対策をしておくことが大切です。

奨学金は債務整理

奨学金で生活が圧迫されてしまったときでも、債務整理をすることができます。

ただし、奨学金の返済には、債務整理以外にさまざまな救済措置があります。

病気や失業など、やむを得ない事情がある場合は、返済を最大で10年間猶予することができたり、返済期限を延長して毎月の返済額を減らす措置を受けることができたりします。

こうした救済措置を受けられないときに債務整理を検討するようにしましょう。

ただし、奨学金に債務整理をすると、連帯保証人に請求がいくことになります。

奨学金の連帯保証人は親や親族になっていることが多いので、債務整理をすると結果として親や親族には迷惑をかけることになるかもしれません。

奨学金の滞納が続いていれば、どちらにしても連帯保証人には請求がいくことになります。

返済を滞納した借金

借金が返せなくて滞納を続けていると、貸金業者から支払いの催促や督促がおこなわれます。

それでも滞納を続けた場合、業者から一括請求がきてしまいます。

この一括請求は、貸金業者からの最後通告のようなものです。

これを無視すると、裁判に発展してしまうこともあるので注意しなければなりません。

滞納によって一括請求されてしまった場合でも、債務整理は可能です。

裁判によって財産の差し押さえなどが強制執行される前に、早めに債務整理をすることが重要です。

一方、住宅ローンや車のローンなどを滞納していた場合、債務者本人に代わって保証会社が借金を払ってくれることがあります。

これを代位弁済といいます。

保証会社は、借金を立て替えてくれるわけではなく、代わりに払った借金を債務者本人に請求してきます。

保証会社からの請求は一括請求が基本となり、請求を無視し続ければ裁判に訴えられてしまうことも少なくありません。

このような借金にも債務整理をすることが可能です。

債務整理をすることで、一括請求を免れ、分割返済や毎月の負担額を減らすことが期待できます。

一度、任務整理、個人再生した後の借金

過去に債務整理をしたことがある借金であっても、条件を満たせば、再び同じ債務整理をすることができます。

個人再生や自己破産は、一度手続きをおこなうと、そのあと7年間は同じ手続きができなくなります。

ただし、7年経過すれば、すべての債務整理を再びおこなうことができるようになります。

一方、任意整理には7年といった条件はなく、基本的には何度でもすることが可能です。

ただし、いずれの債務整理も二度目をおこなうことは簡単ではありません。

自己破産はいわば借金解決のための最終手段ですから、たとえ1度目の手続きから7年が経過していても、二度目の手続きを裁判所に認めてもらえないということもあり得ます。

理論上は何度でもできる債務整理ですが、基本的には一回限りの手続きと思っておくと良いでしょう。

債務整理できない支払い

家賃や水道、光熱費、税金といった公共的な支払いは、債務整理をすることができません。

こうした支払いのことを「非免責債権」といい、債務整理をしても手を付けることができないようになっているのです。

たとえば、もっとも大きな効力を発揮する自己破産でも、光熱費や税金といった項目はほかの借金とは別枠で処理されます。

ほかにも、国民健康保険料や介護保険料なども非免責債権の一種であるため、債務整理の対象とすることはできません。

任意整理できる条件

任意整理の条件

  1. 返済を3~5年のあいだ継続できる収入
  2. 借りた借金を過去に返済したことがある
  3. 返済しようとする意志がある

債務整理の中でも、任意整理はもっともリスクやデメリットの少ない方法です。

裁判所を通さずに、債権者と債務者が交渉することで借金問題の解決を目指します。

任意整理をするためには、まず返済の見込みがあるということが前提条件になります。

たとえば、今まで一度も返済しておらず、現状で収入がほとんどない人だと、そもそも債権者が交渉の場にのってきてくれないことが少なくありません。

任意整理では、だいたい3年、長くても5年かけて返済していくのが通常なので、それだけの継続的かつ安定した収入のあることが第一の条件になるでしょう。

それに加えて、返済の意思があるということも重要な条件です。

過去に借りたお金を返済した履歴があるなど、返済の意思が確認できる出来事があると、任意整理もよりやりやすくなるといえます。

任意整理について、さらに詳しい解説がありますので、ご覧ください。
任意整理で借金の利息が無くなる!任意整理で借金を楽にする方法

任意整理がおすすめの人

任意整理は、ほかの債務整理と比べて手続きが比較的簡単です。

そのため、なるべく早く借金を解決したいという人におすすめです。

また、裁判を通さずに問題解決を目指せるので、ことを荒立てずに借金を整理したい人にも向いているといえるでしょう。

任意整理では、交渉する貸金業者を選ぶことができます。

たとえば、ローン返済中の家や車がある場合、個人再生や自己破産をしてしまうと、こうした財産を失ってしまう恐れがあります。

しかし、任意整理であれば、家や車のローンを対象からはずすことができるので、残したい財産を失うことなく借金の整理をすることができます。

また、連帯保証人がついている借金も対象からはずすことができるので、債務整理をすることで連帯保証人に迷惑をかけたくないという人にもおすすめの方法です。

任意整理の交渉に貸金業者側が応じないケース

ほとんどの貸金業者は任意整理の交渉に応じてくれますが、中には交渉に応じてくれない業者もいます。

たとえば、自動車ローンのように 、ほかにも借金の回収手段があるような場合です。

自動車ローンでは、自動車を担保にとっている場合が多いので、貸金業者は任意整理に応じなくても借金を回収することができます。

自動車ローンだけでなく、抵当権や所有権留保など、ローンに担保権が設定されている場合も同じです。

こういった場合は、任意整理を依頼しても応じてくれないことがあります。

また、すでに訴訟で判決がくだっていて、給与の差し押さえが可能な場合も任意整理の交渉に応じてもらえないことが多いです。

それから、貸金業者側がすでに訴訟の準備をしている場合や、訴状が届いている場合も任意整理はむずかしいといえます。

任意整理はあくまで話し合いで解決を目指す手法です。

すでに裁判の準備をしているような場合、より法的効力の強い裁判に頼ったほうが確実に借金の回収ができるからです。

すでに訴訟が終わっている場合や、給与などの差し押さえができる状態の場合も、貸金業者がわざわざ債務者と交渉するメリットはないので、任意整理に応じてもらうことはむずかしいでしょう。

一方、貸金業者の方針として任意整理に応じないというケースもあります。

たとえば、まだ取引を開始してから日が浅く、ほとんど返済されていないといった場合です。

貸金業者の収入源は利息ですから、取引の年月が長くなるほど利息による利益が大きくなります。

取引履歴の浅い借金の場合、利息による利益をほとんど得ていない状態であるため、任意整理による交渉に応じてくれないことが多いのです。

また、特定の弁護士事務所に対して任意整理をしないという方針を持っている貸金業者などもいます。

過去に同じ貸金業者に対して任意整理をしていた場合なども、再び任意整理をすることはむずかしいといえるでしょう。

過払い金を請求できる条件

任意整理では、過払い金を取り戻すことができるケースがあります。

過払い金とは、違法な利率の金利によって払い過ぎていた利息のことです。

過払い金が発生する条件は、利息制限法を超える金利が設定された返済をしていた場合です。

利息制限法における上限金利は15~20%と設定されています。

ただ、貸金業法が改正される前は、この上限金利を超えて貸し付けを行っていた貸金業者が多くありました。

そのため、現在でも返済を続けている借金がある場合は、過払い金が発生している可能性があるので、払いすぎた利息を取り戻すことができることがあります。

ただし、具体的にどの程度の過払い金があるかは、実際に相手の貸金業者と交渉してみなければわかりません。

そのため、専門家に相談して、過払い金が発生しているかどうか、借金を減額できるかどうか相談してみることが大切です。

法律事務所によっては、減額できるかどうかわかってからでも正式依頼することが可能です。

無料相談を実施している法律事務所なら、過払い金を請求できる可能性を無料で診断してくれます。

過払い金のメリット・デメリットもしっかり知っておきましょう、こちらをご覧ください。
知らないと損する、過払い金請求のデメリット

個人再生できる条件

個人再生の条件

  1. 借⾦が5000万円以下
  2. 返済を3年のあいだ継続できる収入

個人再生は任意整理では処理できない金額の借金がある場合に、選択される手続きです。

ただし、個人再生は誰でも利用できる手続きではありません。

まず、個人再生を利用するためには、借金の総額が5000万円以下でなければなりません。

また、個人再生をすると、借金が減額され、残った借金を原則として3年かけて返済していくことになります。

そのため、3年にわたって継続的に返済できなければ、そもそも個人再生をすること自体が認められません。

個人再生を利用したい場合は、まず安定した収入があることが前提条件になります。

しかもその収入は、個人再生による返済を完了するために、ある程度十分な金額でなければならないという条件も付されます。

一方、個人再生は安定した収入があれば、任意整理や特定調停に比べて借金を大きく減らせる方法でもあります。

借金の総額が比較的大きく、総額を大きめに減らしたい人におすすめの債務整理です。

また、自己破産をすると、財産のほとんどを失うことになりますが、個人再生であれば財産を残しながら借金の減額をすることができます。

マイホームを残したい、財産をある程度は手元に残したいなら、自己破産よりも個人再生を選ぶべきでしょう。

個人再生のデメリットもしっかり知っておきましょう、こちらをご覧ください。
家や車を失わずに借金を減額できる!個人再生のくわしい解説

自己破産できる条件

自己破産の条件

  1. 返済不能状態であること
  2. 免責不許可事由に該当しないこと

自己破産をするためには、まず返済能力がないという条件が必要です。

返済能力がない状態のことを「返済不能」または「支払不能」といいます。

返済不能とは、客観的に見て借金を返していけるだけの収入や資力がない状態のことです。

たとえば、月の収入が20万円しかなく、毎月の生活費に15万円かかるとします。

このとき、月々の借金の返済額が10万円だった場合、ひと月で5万円の赤字が毎月発生していることになるので、返済不能に陥っているとみなされます。

一方、同じケースで、月々の返済額が3万円だったときは、2万円分の余りが生じるので、返済不能とはみなされない可能性が高いといえます。

返済不能かどうか判断するのは裁判所です。

裁判所の調査によって返済不能とみなされれば、自己破産をすることができるようになります。

借金を無くすことのできる自己破産のデメリットもしっかり知っておきましょう、こちらをご覧ください。
借金をすべて無くすことができる!?知っておきたい自己破産のこと

自己破産できないケース

自己破産は、すべての借金を帳消しできる、たいへん強い効力を持つ処分です。

自己破産が決定されれば、債務者は借金を返す必要がなくなりますが、債権者の立場からすれば、貸したお金が返ってこなくなることになります。

そのため、自己破産をする明確な理由がなければ、裁判所から借金をなくしてもらう決定をしてもらえません。

たとえば、ギャンブルや浪費によって作った多額の借金は、免責不許可事由に該当して自己破産できない場合があります。

免責不許可事由とは、自己破産をするのにふさわしくないと判断される事由のことです。

そのため、自己破産をするためには、免責不許可事由に該当しないことも条件になります。

免責不許可事由に該当するかどうかは裁判官が決めることなので、自己破産ができるかどうかは弁護士や司法書士などの専門家に相談して判断を仰ぐようにしましょう。

それから、財産を隠して申し立てた場合も自己破産はできなくなってしまいます。

財産を隠していたことが免責不許可事由とみなされてしまうからです。

また、クレジットカードの現金化をおこなっていた場合や、自己破産の直前に嘘をついて借金をしていたような場合も、免責不許可事由として自己破産が認められないことがあります。

ただし、免責不許可事由に該当することがあっても、本人に反省の色があったりすれば、裁判官の裁量で自己破産を認めてくれることも珍しくありません。

一方、以前に自己破産をしたことがある人は、そのあと7年間は再び自己破産することはできないので注意が必要です。

自己破産すると就けない職業・おこなうことができなくなること(資格の制限)

自己破産は借金をゼロにできる一方で、それ相応のペナルティを負うことにもなります。

具体的には、自己破産をすると就けなくなる職業があります。

たとえば、公認会計士や宅地建物取引士など、いわゆる士業と呼ばれる職業は、自己破産をすると就くことができなくなります。

また、警備員も自己破産によってできなくなる職業のひとつです。

こうした職業に現状で就いている人は、自己破産をすると職を失うことになります。

こうした資格制限は、職業によって効力が異なり、たとえば宅地建物取引士などは、自己破産をすると資格の取り消しを免れることができません。

このように、自己破産をする場合は、職を失うことがないか、しっかり調べてから手続きに入る必要があるでしょう。

特定調停をするための条件

特定調停の条件

  1. 返済できるだけの資金や収入があるか
  2. 出廷できる生活環境か

特定調停は簡易裁判所の力を借りて問題を解決する債務整理の一種です。

任意整理と同じで、話し合いで借金を整理しようという試みです。

ただ、任意整理に比べて、特定調停の条件はよりきびしい傾向にあります。

まず、特定調停をするためには、このままいけば借金の返済が困難になるという状況にあることが条件になります。

また、金銭的条件も必須であり、計画的に返済していけるだけの収入や資力があることも重要です。

それから、特定調停をするためには、その人の生活環境も無視できません。

特定調停では、債務者本人が裁判所におもむいて債権者と交渉することになります。

交渉が行われるのは主に平日であるため、交渉のための時間をしっかり確保できるという人に向いている手続きです。

ほかの債務整理は司法書士や弁護士に依頼して、代わりに手続きをやってもらうというのが基本ですが、特定調停では債務者本人が自分で交渉して借金の減額を勝ち取ることもできる方法です。

そのため、専門家への依頼料を節約したい人などにもおすすめだといえます。

もちろん、みずから債権者と交渉することは簡単ではありません。

ですから、特定調停を自分でする場合には、ある程度の法律の知識や交渉能力なども必要になってくるでしょう。

自分でおこなえる特定調停についても、理解しておきましょう。
自分で借金を減らせる!知っておきたい特定調停の方法

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