借金の時効援用をすれば借金がなくなる!時効援用をおこなう方法と知っておきたいデメリット

皆さん、借金にも時効があることをご存知でしょうか?

借金の時効が成立すると、返済の義務が解消され、借りたお金を返さなくて良くなります。

返済中の借金があるにもかかわらず、しばらく請求がこないということがありませんか?

そんなときは、もしかしたら借金の時効が成立するかもしれません。

時効を利用して返済の義務を免れることを「時効の援用」といい、債務から逃れるための手段として実際に時効の援用がおこなわれる事例も少なからずあります。

ただし、この手段にはリスクやデメリットもあり、時効の条件を満たして借金を消滅させることは決して簡単ではありません。

貸金業者の方でも、時効を成立させないようにさまざまな手を打ってくるからです。

ここでは、どうすれば借金の時効が成立するのか、また時効の援用をしたときのデメリットなどについて詳しく見ていきます。

借金返済中なのに貸金業者から督促がこなくなったら

そういえば貸金業者から、いつのまにか催促がなくなりました。

貸金業者から一定期間請求がないと、時効が成立して借金を返さなくてもよくなります。

このように貸金業者や金融機関などから、いつのまにか催促がなくなった経験がある方もいるのではないでしょうか?

貸金業者や金融機関など、お金を借りた機関からの請求が一定期間ない場合に、時効が成立して借金を返す必要がなくなることがあるのです。

貸金業者などからの請求がこなかった場合は、わざわざこちらから返済を再開するのではなく、時効が成立するのを待ってみるのもひとつの手です。

ただし、特段の事情があるために、貸金業者があえて借金を請求してこないということもあります。

その特段の事情とは、過払い金です。

過払い金とは、違法な利率によって余計に借金を払っていた場合に生じる、払う必要のなかった借金のことをいいます。

この過払い金が多額になっていた場合、過払い金を返還したくないという理由で貸金業者の方が意図的に請求をしてこないという場合があります。

多額の過払い金がある場合は、むしろ借りたお金よりも多くのお金が返ってくることもあるため、請求がこないのをいいことに時効の成立を待つよりも、過払い金の請求をした方が得をするということも珍しくありません。

貸金業者からの請求がきていない借金がある場合、そのまま放置して援用を狙うより、司法書士や弁護士などの専門家に相談して過払い金が発生していないかどうか調べてみてください。

むしろ、そうした特段の事情でもない限り、返済が残っている借金があるなら、まず貸金業者からの請求がくるのが通常です。

請求がこないということは、過払い金を払いたくないといった意図が隠されているはずなので、請求がこないときこそ専門家に相談して適切な指示をもらうようにしましょう。

過払い金を請求すると、現金で取り戻せる可能性がありますので、こちらの記事も一緒にご覧ください。
知らないと損する、過払い金請求のメリットとデメリット

借金にも時効がある

そもそもお金を貸した人は、貸したお金を返してもらえる権利というものを持っています。

お金を貸すことを商売にしている貸金業者や金融機関は、この権利を使って貸したお金の返済を請求してくるわけです。

ところが、権利というのは一定期間行使していないと、使えなくなってしまうことがあります。

これを消滅時効といいます。

この消滅時効は借金にも適用され、返済の請求を一定期間していない場合は、お金を貸した人が権利を行使できなくなる、すなわち借金の返済を請求する権利が消滅してしまいます。

お金を借りている人の立場からすると、借金の時効が成立するということは、借りたお金を返さなくても良いようになるということです。

法律には「権利の上にあぐらをかく者を保護しない」という原則があります。

つまり、借金の返済を請求できる権利があるのに、その権利があることをいいことに請求も何もしなければ、法律による保護をうしなう、すなわち時効が成立するということです。

ただし、一定期間借金の返済をしていないからといって、それだけで時効が成立して返済の義務がなくなるわけではありません。

借金の時効を成立させるためには、消滅時効を利用することを貸主に伝えなければならないのです。

すなわち、お金を借りた側が貸した側に対して「時効の期間を満たしているので返済しません」という意思表示を示して初めて時効が成立します。

これが「時効の援用」と呼ばれるものです。

この意思表示は文書で相手に知らせるのが一般的ですが、文書でなければいけないとは法律で決まっていないので、口頭で相手に意思表示をしても援用をすることができます。

借金は5年か10年で時効が成立する

借金の時効は、どのくらいのくらいで成立するんですか?

借金の時効は主に5年か10年で成立するのが通常です。

ただ、借金の種類によって成立する期間は異なります。

その違いは、お金を貸すという行為が商売かどうかによって変わってきます。

商売であれば商法が、商売でなければ民法が適用されるので、5年と10年という期間の違いが生じるのです。

貸主によって変わる借金の時効の5つの場合

  1. 消費者金融・サラ金業者が貸主の借金
  2. 信用金庫が貸主の借金
  3. 銀行が貸主である借金
  4. 住宅金融支援機構(住宅金融公庫)の住宅ローン
  5. 保証協会の求償権

消費者金融・サラ金業者が貸主の借金

借金の時効は、借主と貸主の身分によって期間が変わってきます。

消費者金融やサラ金から借金をしている場合、その貸主が会社であれば時効の期間は5年、個人であれば10年ということになります。

ただ、個人でやっている消費者金融やサラ金であっても、貸主が個人事業主や会社としてお金を貸すことを商売にしていれば、消滅時効は5年で成立します。

信用金庫が貸主の借金

信用金庫からお金を借りている場合、時効が成立するための期間は10年です。

これは信用金庫がおこなうお金の貸し借りは商売ではないと見なされるためです。

ただ、信用金庫が個人事業主や会社にお金を貸した場合、その貸したお金は貸金債権となります。

この場合は、お金を貸すという行為が商売と見なされるので、5年で成立します。

銀行が貸主である借金

銀行は会社であり、れっきとした商人ですから、時効の期間も商法の中で計算がされます。

そのため、銀行からお金を借りた場合の時効の期間は5年です。

住宅金融支援機構(住宅金融公庫)の住宅ローン

住宅金融支援機構は商人ではありません。

個人からお金を借りているのと同じなので、消滅時効が成立する期間も10年となります。

保証協会の求償権

お金を借りた人が返済できなくなった場合、保証会社が借主の代わりに借金を返済することがあります。

これを代位弁済といいます。

代位弁済のあと、保証会社は借主本人に立て替えたお金を請求することができます。

これが保証会社の求償権です。

この求償権にも消滅時効があり、保証会社は商人ではないため、10年で時効が成立することになります。

ただし、保証会社が個人事業主や会社に委託されて保証業務を行っていた場合は例外です。

この場合の求償権は商売の一種とみなされるので、時効は5年となります。

借金の時効の数え方(時効の起算日)

借金は5年や10年たてば返済の義務がなくなりますが、それではいつから数えて5年や10年なのでしょうか。

時効の起算日をしっかり計算しておかないと、まだ時効が成立していないのに援用の意思表示をしてしまったり、すでに時効が成立しているのに気づかずに見過ごしてしまったりすることがあります。

時効の起算日は返済期日がない場合とある場合とで変わってくるので注意しましょう。

返済期日とは、借りたお金を返済する予定日のことです。

返済期日がない場合

もしお金の貸し借りをしたときに、返済期日を設けなかった場合は、借金をした翌日が時効の起算点となります。

その日を1日目として、商人(法人)からお金を借りた場合は5年、個人から借りた場合は10年で消滅時効の期間を満たします。

返済期日がある場合

借金を返済する期日が決まっている場合、返済期日の翌日が時効の1日目としてカウントされます。

ただし、期日を過ぎたあとに一度でも返済したことがあった場合、それまでカウントされた期間は無効となり、最後に返済した次の日が新たに時効の起算点になります。

返済期限がわからない場合(不確定期限付き債務)

たとえば「退職金が入ったら借金を返す」といったように、返済期限がわからないような借金のことを不確定期限付き債務といいます。

こうした種類の借金の場合、時効の起算点は返済期日がある場合と同じようにカウントされます。

「退職金が入ったら」のケースで考えると、退職金を手にしたその日が返済期日となり、その翌日を起算点として時効がカウントされることになります。

借金の時効を成立させるためにやるべきこと

借金の消滅時効を成立させるためには、まず返済していない状態が一定期間続いている必要があります。

そのため、途中で一回でも返済してしまえば、その時点で時効の期間は無効なってしまうので注意が必要です。

それから、時効の期間を満たしていたとしても、その旨を貸主に伝えなければ時効は成立しません。

たとえ消滅時効の期間を満たしていても、意思表示をして時効の援用をしなかったため、そのまま貸主に借金を請求する権利が残ってしまうということも十分にあり得ます。

その場合、貸主が借金の返済を請求すれば、消滅時効の期間を満たしていても、借主には支払いの義務が生じます。

このように、借金の時効は自動的に成立するわけではないので、時効の援用を考えている場合はくれぐれも注意しましょう。

借金の時効を貸主は中断させることができる

お金を貸した側からすれば、貸したお金が返ってこないと大きな損をすることになります。

こうした貸し倒れを防ぐために、貸金業者もさまざまな手を打ってきます。

具体的には、借主に対してさまざまな意思表示をすることで、時効の中断を狙ってくるのです。

一度でも時効が中断されると、それまで起算された期間はすべて無効になります。

たとえば、あと1日で時効が成立する借金があっても、貸主の意思表示によって中断されてしまえば、また5年や10年たつまで時効は成立しなくなってしまいます。

借金の時効を「請求」で中断

ここでいわれる「請求」というのは、主に裁判所を通した請求のことを意味します。

たとえば、裁判所に訴状を提出して請求したり、支払の催促を簡易裁判所に請求したりすることなどが挙げられます。

また、裁判所に調停を申し立てることも請求の一種です。

借金の時効を「債務の承認」で中断

債務の承認とは、お金を借りている人に債務があることを認めさせることです。

債務の承認は、お金を借りている人が借金を返済したときに成立します。

つまり、利息や元金の一部などを一度でも返済すれば、その返済という行為そのものが債務の承認として認められ、その時点をもって時効が中断されるというわけです。

これは、すでに消滅時効が満了を迎えている場合でも、借主がその事実を知らずに返済をおこなってしまえば、その時点で時効は中断され一から起算をやり直すことになります。

借金の時効を「差し押さえ」で中断

貸主が訴訟や支払の催促をした場合、裁判所によって認められれば借主の財産を差し押さえることができます。

この差し押さえという行為でも時効は中断されます。

ただ、差し押さえという手段は貸主にとってもリスクの高い方法です。

というのも、差し押さえをした結果、借主の資金繰りが立ち行かなくなってしまえば、自己破産をされてしまう恐れがあるからです。

自己破産をされれば、貸したお金は返ってこなくなりますから、財産の差し押さえは貸主にとっての最終手段といえます。

このように、貸主は主に裁判所を通して時効の中断を狙ってきますが、裁判所を通さないやり方もあることにはあります。

それが内容証明郵便で借主に催告書を送付することです。

内容証明郵便とは、いつどこへ誰が郵便を送付したのかということを、管轄の郵便局が証明してくれる郵便のことです。

内容証明郵便で借金の催告書が届いた場合、時効の中断はできないものの、時効の成立を6カ月間遅らせるという効果を与えることができます。

借金を時効にするメリット・デメリット

借金を時効にするメリット 借金を時効にするデメリット

・借金の支払いの義務がなくなる

・ブラックリストにのる
           

・消滅時効を援用した貸金業者とその関連企業から借金できなくなる

借金の消滅時効が成立すれば、支払いの義務がなくなることが最大のメリットです。

このように、お金を借りている側からすれば良いこと尽くめのようにも感じられますが、実は借金を時効することによるデメリットがあります。

ブラックリストにのる

時効の援用をおこなうことで、ブラックリストにのってしまうってどういうこと?

信用情報機関にあなたの事故情報がのってしまうということです。

時効の援用をおこなうことで、最も大きなデメリットは、ブラックリストにのってしまうということです。

ブラックリストは聞いたことがあるという方も多いと思いますが、名前が書いてある黒いノートのようなものがあるわけではありません。

信用情報機関に事故情報がのることをブラックリストにのると表現しています。

信用情報機関とは、あなたが貸金業者から貸し付けを受けたり、クレジットやローンなどを契約する場合に、あなたに貸付け等をおこなって良いかどうかを判断するために信用情報を確認するための機関のことです。

この機関には、金融業者やクレジットカード会社、ローン会社が加盟していて、あなたの借入の状況や返済状況、事故情報などがのっています。

ブラックリストに1度のってしまうと、最長5年間、新規の借入やローン契約、またクレジットカードの発行などはできにくくなります。

ブラックリストにのる3つのデメリット

  1. 他の貸金業者の借り入れの審査が通らなくなる
  2. 新たなクレジットカードの審査が通らなくなる
  3. 住宅ローンや自動車ローンの審査が通らなくなる

「ここだけの過払い金請求でブラックリストにのらないコツ」記事の1章「ブラックリストにのるとは」引用

もし時効が成立したとしても、信用情報機関に借金の延滞や貸し倒れなど、事故情報が5年間残り続けてしまいます。

時効の援用をしなかったとしても、返済していない借金をそのまま放置していれば、結果として信用情報に事故情報がのったままになります。

借金問題を抱えている場合は、援用なり債務整理なり、何らかの方法で問題を解決することが大切ですので、1度専門家に相談するようにしましょう。

時効の援用をおこなう場合は、ブラックリストにのってしまうので、ブラックリストについてしっかりと理解しておきましょう。
ブラックリストにのるとは

消滅時効を援用した貸金業者とその関連企業から借金できなくなる

借金の消滅時効を援用するということは、要するに借りたお金を踏み倒すということです。

その場合、踏み倒された側からすれば、その人にもう一度お金を貸すいわれはありません。

借金を踏み倒した貸金業者からは、新たな借り入れやローン契約はできなくなります。

また、その貸金業者の関連企業からも借り入れやローン契約が難しくなります。

それは、貸金業者社内の顧客情報に信用がないものとして情報が登録されてしまうからです。

この状態がいわゆる「社内ブラック」の状態で、最長で5年経つと削除されるブラックリストとは異なり、半永久的に残ってしまいます。

ブラックリストから事故情報が削除された後でしたら、他の貸金業者やクレジットカード会社であれば利用することは可能です。

時効の援用をおこなう場合は、貸金業者とその関連会社についても調べておきましょう。

借金の時効を成立させる手続きについて

時効が成立するまでには、いくつかのステップをへなければなりません。

大前提として、時効の期間を満了しているということが必要です。

借金を返済していない期間が5年ないし10年以上たっていることが条件になります。

ただし、貸主の意思表示によって中断していれば、5年や10年経過していても期間を満了できないことには注意が必要です。

そして、期間を満了しており、かつ中断もないとすれば、時効の援用をして意思表示をしなければなりません。

消滅時効を利用するという意志は、口頭で貸主に伝えても基本的に問題はありませんが、できれば内容証明郵便で貸主に向かって明確に意思表示をしておいた方が良いでしょう。

内容証明郵便で送るのは、貸金業者に消滅時効を利用する意思を書いた書類を受け取っていないといわれないためです。

内容証明郵便を貸主が受け取った時点で、借金の消滅時効が成立し、晴れて借金を返済する義務がなくなります。

消滅時効の援用に失敗するケース

借金の消滅時効をスムーズに成立させられれば良いですが、実際のところ時効の援用に失敗してしまうケースも少なくありません。

たとえば、まだ時効の期間を満了していないにもかかわらず、貸主に援用のための内容証明郵便を送ってしまった場合です。

この場合、内容証明郵便の送付が「債務の承認」となってしまい、貸主が郵便を受け取った時点で時効が中断されてしまいます。

期間を満了していないのに間違って郵便を送ってしまったら、真面目にしっかり返済するか、債務整理をして借金を減らすしかなくなってしまうでしょう。

また、自分の知らないところで貸金業者が裁判を起こしていたというケースもあります。

これは貸金業者に今の住所地を知らせておらず、また住民票も異動していない場合などによく起こることがある事例です。

この場合、貸主は「公示送達」という方法で裁判を起こしている可能性があります。

公示送達とは、相手が行方不明の場合に、相手に実際に裁判資料を送ることなく裁判を起こす方法です。

貸主に裁判を起こされてしまえば、その時点で時効の中断がされてしまうため、結果として援用も失敗ということになってしまいます。

借金の時効が成立しなかった場合は債務整理

実のところ、借金の時効を成立させることはとてもむずかしいことだといえます。

お金を貸している立場の人は、誰にいつ貸したのか正確に記録しています。

その記録を元に、時効が近づけばさまざまな方法で中断をはかってくるので、借金を放置していればいつかは時効が成立するはずだと考えて、そのまま滞納を続けることはおすすめできません。

また、時効が成立するのを待つことは、日常の生活の中でも制約が出てきますし、精神的にも安定した状態を保つことはむずかしくなるでしょう。

それだけに、滞納している借金がある場合は、じっと息をひそめて時効の成立を待つよりも、はやく債務整理をして完済を目指した方がずっと良いです。

消滅時効が成立しようとしまいと、延滞している時点ですでにブラックリストに入ってしまっています。

債務整理をすれば借金の悩みから解放されるだけでなく、信用情報もはやくきれいにすることができます。

また、現在の借金を減らせる場合もありますし、過払い金が発覚して払いすぎたお金を取り戻せることもあります。

時効が成立しなかった場合は、司法書士や弁護士などの専門家に相談して、債務整理の方法を模索してみましょう。

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