債務整理でブラックリストに載る期間とブラックリストに載らない方法
「債務整理はブラックリストに載る?」
「ブラックリストに載らない方法はある?」
と、みどり法務事務所では多くの質問をいただきます。
債務整理は種類ごとに手続きにかかる期間や方法が大きく異なっていて、おこなう債務整理の手続きによってはブラックリストに載ります。
ブラックリストにいつ載るのか、どれくらい載るのかを正しく理解していないと自分がブラックリストにどれくらいの期間載っているかわからず、今後の生活に影響が出てしまう可能性があります。
もし、債務整理を簡単に済ませたい、自分が債務整理した場合どれくらいの期間ブラックリストに載るのか知りたい、という方、みどり法務事務所では、債務整理に関するご相談はすべて無料で承っていますので、まずはご相談ください。
また、無料のお電話かメールフォームから「どこの貸金業者(またはクレジットカード会社)から・いつ頃・いくら借りていたか」をお話しいただければ、相談者様にとって最適な債務整理をご提案させていただきますので、お気軽にお問い合わせください。
もくじ
ブラックリストとは
ブラックリストといっても、実際にブラックリストというリストが存在するわけではありません。
貸金業者は借り入れやローン、新規のクレジットカード作成を申し込まれても、返済してもらえる見込みがなければお金を貸せないので、申し込まれたときに返済できる見込みがあるかどうかを審査するために個人の信用情報を登録している信用情報機関に問い合わせてお金を貸しても返済してもらえるかを判断しています。
信用情報には借り入れやローン、クレジットカードの支払いを延滞・滞納しているなどのマイナス情報が登録されていて、信用情報に載っているマイナス情報のことを俗にブラックリストと呼んでいます。
債務整理でブラックリストに載らない方法
債務整理には4種類あって、
- 手続きする対象を選べる「任意整理」や「特定調停」
- 住宅ローン特則を使う事で家を手放さずに借金を大きく減額できる「個人再生」
- 財産の多くを手放すことになるが、借金をゼロに出来る「自己破産」
があります。債務整理は返済期間を延ばす、借りたお金を減らす、または借金をゼロにする手続きで、返済ができなくなった方が使う手続きなので、基本的にはブラックリストに載りますが、任意整理だけブラックリストに載らない可能性があります。
債務整理のデメリット、メリットについて詳しく
任意整理は、借り入れを開始した時にさかのぼって利息制限法の上限金利(15~20%)に金利を引き下げて再計算(引き直し計算)した結果、過払い金があれば、過払い金を借金の返済にあてて減額した上で、原則として金利をカットし、元本のみを3年程度の分割で返済する内容の和解を貸金業者と結ぶことで、借金を整理する手続きです。
引き直し計算をした結果、過払い金が借金よりも多かった場合、過払い金が借金にあてられて完済、残った過払い金は手元に戻ってくるので、債務整理をした扱いにはならず、ブラックリストに載ることはありません。
いつからブラックリストには載る
ブラックリストに載るタイミングは、債務整理の手続きごとに違います。
任意整理 | 貸金業者との和解が成立した日 (貸金業者が複数の場合は、最後に業者と和解した日) |
---|---|
特定調停 | 調停が成立した日 |
個人再生 | 再生手続きの開始が決定した日 |
自己破産 | 免責許可が決定した日 |
ただし信用情報機関に事故情報の登録を依頼するのは、貸金業者です。貸金業者によって は事故情報を登録依頼するタイミングが違う場合もあります。
債務整理でブラックリストに載る期間
債務整理をすると5年~10年程度ブラックリストに載りますが、債務整理の手続きによって登録される期間が違います。また、債務整理以外にも延滞や滞納をすると事故情報として登録されるので、債務整理をするまえにブラックリストに登録されている可能性もあります。
信用情報に登録される事故情報
債務整理
債務整理は借金を減らす、またはゼロにする手続きで、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産と4種類ありますが、どの債務整理をしたとしても信用情報機関に債務整理(コード32)をしたことが登録されるので、ブラックリストに載ります。
ほとんどの事故情報は長くても5年でブラックリストから削除されますが、個人再生と自己破産だけは最長で10年登録されることになります。
延滞
借り入れの返済が遅れることを延滞といって、延滞の状態が60日以上続くと、延滞したという事故情報が信用情報に登録されるので、ブラックリストに載ります。
また、「携帯電話料金の未払い」でもブラックリストに載ることがあります。携帯電話の端末を分割購入した場合、携帯端末はローンを組むのと同じ割賦契約になるので、月々の支払いを延滞するとブラックリストに載ります。
強制解約
強制解約とはクレジットカード会社やローン会社などの貸金業者に強制的に解約されることをいいます。貸金業者は定期的に利用者の信用情報を確認しているので、料金の延滞や他人にカードを貸した、カードを現金化した、などの利用規約違反が発覚した場合、強制解約されます。
強制解約された場合、信用情報に強制解約されたことが事故情報として登録されるので、ブラックリストに載ります。
代位弁済
代位弁済とは第三者(保証会社)が借りた人に代わって借金を貸金業者に支払うことをいいます。代位弁済がおこなわれると信用情報機関に代位弁済されたことが事故情報として登録されるので、ブラックリストに載ります。
事故情報を登録している信用情報機関と登録されている期間
事故情報を登録している信用情報機関は3社あって、それぞれ登録している事故情報や事故情報を登録している機関、加盟している貸金業者が異なります。
信用情報機関3社
株式会社日本信用情報機構(JICC)
日本で最も古い信用情報機関で、消費者金融会社や信販会社が利用しています。消費者金融系の信用情報機関だった全国信用情報センター連合会とテラネット、CCBが統合した信用情報機関です。
株式会社シー・アイ・シー(CIC)
信販会社やクレジットカード会社が利用している信用情報機関です。信販会社が多く加盟していますが、銀行系金融機関や消費者金融も加盟しています。
全国銀行個人信用情報センター(KSC)
銀行や銀行系クレジットカード会社、銀行系の信用保証協会のほか、農協、信用組合、信用金庫などの金融機関が加盟している信用情報機関です。KSCだけは他の信用情報機関と違って、延滞・滞納による事故情報の登録だけでなくて個人再生や自己破産の官報情報も登録しています。
信用情報機関3社に登録される内容と期間
CIC | JICC | KSC | |
61日以上の延滞・滞納 | 5年 | 1年 | 5年 |
3か月以上の連続した延滞・滞納 | 5年 | 5年 | 5年 |
債務整理(任意整理・特定調停) | 記載なし | 5年 | 記載なし |
個人再生 | 記載なし | 5年 | 10年 |
自己破産 | 記載なし (ただし破産申請したことは記載される5年) |
5年 | 10年 |
強制解約 | 記載なし | 5年 | 5年 |
代位弁済 | 記載なし | 5年 | 5年 |
※表に記載されている事故情報の登録期間は最長のものです。
信用情報機関はそれぞれ登録している事故情報が異なります。上記の表を見ると債務整理をしてもCICに事故情報は記載されないので、クレジットカード会社からは借り入れできると思われるかもしれません。
しかし、クレジットカード会社から借り入れしようとしても、信用情報機関の3社は事故情報を共有しています。クレジットカード会社にも事故情報は伝わるので、実際に借り入れできる可能性は低いです。また、債務整理を司法書士や弁護士に依頼した場合、※受任通知を送ることで毎月の返済が止まるので、延滞したとして事故情報が記載されます。
※受任通知とは、司法書士や弁護士がお金を借りた本人の代理となって債務整理の手続きすることを伝えるもので、受任通知が貸金業者に届くと、貸金業者は直接の取り立てをすることはできなくなります。
自分がブラックリストに載っているか確かめる方法
信用情報機関には、それぞれ自分の信用情報を確認できる「本人開示制度」があります。開示請求の手続きをすることで、自分の信用情報を確認できます 。開示された内容は、直接見ることも、郵送で受け取ることも可能です。また、本人以外が申し込むこともできます。ただし、実際に開示された情報を受け取るのは本人のみとなります。
自分がブラックリストに載っているか確かめる方法
ブラックリストに載るとどうなる
消費者金融やクレジットカード会社、銀行などの貸金業者は新規でクレジットカードをつくることや新たなローンの申し込みをされた場合、信用情報機関に申込み者の信用情報を照会して、返済能力があるのかどうか審査します。
貸金業者は信用情報を照会した際に、ブラックリストに載っていることがわかると、お金を貸しても返済してもらえる見込みがないと判断するので、新規にクレジットカードをつくることや新たな借り入れ、ローンを組むことがむずかしくなります。
しかし、貸金業者は信用情報を参考にして融資をするかどうか決めているだけです。ブラックリストに載っているからお金を貸してはいけないという決まりがあるわけではないので、ブラックリストに載っていても直近の信用情報をみて、貸金業者がお金を貸しても返済できると判断すれば、融資を受けられる可能性もあります。
事故情報は一度載ったらずっと消えないわけではなく5年(最長で10年)程度で削除されるので、ブラックリストに載ったとしても削除されたあとであれば新規にクレジットカードをつくることや借り入れ、ローンを組むことはできます。
また、ブラックリストに載ると、携帯電話やスマホ購入時に分割払いができなくなります。携帯電話の端末料金は基本的に毎月の利用料金と一緒に分割で支払われていますが、端末料金の分割払いはローン払いと同じで、購入の際に信用情報登録機関に照会されるので、審査が通らない可能性があります。
ブラックリストを怖がって債務整理しないとどうなる?
債務整理をすると、ブラックリストに載るので、クレジットカード(債務整理した方の家族カードを含む)の利用ができなくなる、クレジットカードの審査(更新審査を含む)が通りにくくなる、ローンで購入した商品が取り上げられる、保証人・連帯保証人が借金を手続きした人の代わりに返済すること以外で、デメリットはほとんどありません。また、発生するデメリットにもそれぞれ回避方法があります。
借金の返済を延滞していて、自宅に電話や督促状、催告書といった書類による督促がきている場合は、債務整理をしなくても、いずれブラックリストに載ってしまいます。さらに遅延損害金が上乗せされて借金が増えるだけではなくて、貸金業者から「支払い督促申し立て書」や貸し付けを回収するために裁判を起こされる、給料や財産を差し押さえられるリスク もあります。
そうなる前に、債務整理をして借金をゼロにしたり、毎月の返済額を減らして、リスクを最小限に抑えるべきです。
債務整理できるかわからない方、どの債務整理がいいのかよくわからなくて行動できずに悩んでいる方もまずは専門家に相談することから始めましょう。みどり法務事務所では債務整理に関する相談は何度でも無料です。出張相談も承っておりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
また、経験豊富な司法書士が家族に借り入れしていることを知られたくない方の気持ちも考えて、連絡する時間や郵送物の対応など事前におうかがいして柔軟に対応させていただきます。
相談者様が不安なくご依頼できるように、無料相談で返済や収入の状況、ご家族に借り入れを内緒にしているかどうかなどもふくめて対応させていただきますので、まずは通話無料のフリーダイヤルやメールフォームから気軽にお問い合わせください。