過払い金請求の時効をとめる方法と10年過ぎても請求できる条件

「過払い金請求の時効はいつまで?」
「時効になるとどうなるの?」

と多くの相談があります。貸金業者に払いすぎた利息(過払い金)が発生していれば、過払い金請求でお金を取り戻すことができますが、過払い金請求はいつまでもできるわけではなくて、

  • 最後に取引した日から10年
  • 借り入れした日から10年

が経つと時効になって、過払い金請求でお金を取り戻すことができなくなります

ただし、最後に取り引きした日、または、借り入れした日から10年経っていても

  • 時効にならず過払い金請求できる場合

があるので、時効が成立する場合、10年経っても過払い金請求できる条件、時効をストップさせる方法といった過払い金の時効について正しく知って、過払い金請求の時効が成立しているか、していないかを確認する必要があります。

もし、いつ取引したかわからない、時効が成立しているかわからない場合はみどり法務事務所にご相談ください。過払い金請求の時効をはじめ、過払い金についてのご相談を無料で承っています。相談者様の状況から時効が成立しているか、していないかをお伝えできますので、お気軽にご相談ください。

1) 過払い金請求の時効は最終取引日から10年

過払い金請求できる条件

過払い金とは払いすぎた利息のことです。 過去に、お金を借りる際の金利の上限を定める法律がふたつありました。「利息制限法」では借り入れ額によって金利の上限を15%~20%、「出資法」では2010年6月まで金利の上限を29.2%と定めていました。

出資法の上限である29.2%を超える金利でお金を貸すと罰則がありましたが、利息制限法の上限金利を超えても罰則がなかったため、ほとんどの貸金業者は金利の上限を29.2%以内に設定していました。

この出資法と利息制限法の上限金利の差分(グレーゾーン金利)が払いすぎていた利息、過払い金です。

2010年6月に出資法が改正され、金利の上限は利息制限法と同じ20%となりグレーゾーン金利が撤廃されたことで、多く払っていた利息(過払い金)を貸金業者に返還請求できるようになりました。

貸金業者によって過去の金利や上限金利を引き下げた時期が異なりますが、2010年の法改正以前からお金を借りていた方は過払い金が発生している可能性があります。

過払い金があるか確かめる方法をもっとくわしく

過払い金請求は10年たつと時効

過払い金は貸金業者に払い過ぎていた利息で、貸金業者が不当に得た利益です。不当に得た利息を返還してもらう手続きである過払い金請求は民法の703条の「※不当利得返還請求」にあたります。

※法律上の正当な理由もなく利益を得て、他人に損失を及ぼした人から不正に取得した利益(お金など)を返還してもらうように請求できる権利のこと。

不当利得返還請求は民法167条の「債権等の消滅時効」で、10年行使しないと消滅すると定められているので、過払い金請求できる権利は10年でなくなります。

2020年に時効で過払い金請求ができなくなるのは間違い

過払い金の時効が10年であることから、2010年の法改正から10年経った2020年で過払い金の時効が成立して、過払い請求できなくなると思っている方もしますが、そうではありません。

過払い金の時効は、貸金業者と最後に取引をした日から10年です。借金を完済している場合は、最後の返済日から10年で時効、借金を返済中であれば、完済してから10年で時効になります。

過払い金請求の時効は最後に取引した日で決まるので、個人個人で時効が違います。最後に取引をしたのがいつか覚えていない場合や、最後に取引をした日を勘違いしている場合もあるので、司法書士や弁護士に相談して最後に取引した日を確認するべきです。

2) 過払い金請求の時効はいつから数えて10年なのか

過払い金請求の時効である10年の起算日は、貸金業者と最後に取引した日になります。起算日とは計算をし始める1日目のことをいって、すでに完済している場合は、完済した日が起算日となります。

過払い金の時効の起算日に関しては、「過払い金が発生した時から」と「取引が終了した時から」で判断が分かれていました。

最高裁が平成21年1月22日の過払い金請求訴訟で、借り入れの基本契約は過払い金が発生したときに返済する借り入れがなければ、そのあとに発生する新たな借り入れに過払い金をあてることに合意(過払金充当合意)している。

そのため、過払金充当合意がある取引に関して過払い返還請求権の消滅時効は取引終了までは進行しないと判決が出ました。

完済している場合は【完済した日】から10年

借り入れを完済している場合は、過払い金請求の時効は完済してから10年になります。例えば、2007年に借り入れをして完済(最後に返済)したのが2015年の場合、過払い金請求の時効は2025年になります。

最後に返済した日を覚えていない場合は、貸金業者から取引履歴を取り寄せることで、最後に返済した日がいつなのかわかります。

自分で取引履歴を取り寄せる方法をもっとくわしく

返済中の場合は【最後に返済、または借り入れをした日】から10年

借り入れを返済中の場合は、毎月返済しているので、時効が成立するという心配はありません。

返済している途中で放置(延滞)してしまっている場合は、過払い金請求の時効は最後に返済をした日から10年になります。 また、借り入れした日から返済を一度もしていない場合は、借り入れした日から10年が時効になります。

返済中で放置している借金がある場合についてもっとくわしく

貸金業者が倒産した場合

倒産した貸金業者に対して過払い金請求をする場合、貸金業者する破産手続・民事再生手続・会社更生手続といった倒産するにあたっての手続で配当を受けることができますが、過払い金全額を取り戻すのはむずかしいです。

配当に関しても貸金業者が資産を持っていれば受けることはできますが、過去に倒産した貸金業者(武富士やSFコーポレーションなど)の配当率は3%程度です。例えば、100万円の過払い金があったとしても3万円しか返ってこないという事です。

自分が借りている貸金業者は大きい会社だから倒産しないと思っていても、過払い金請求の影響や経営不振によって多くの会社が倒産しているのが現状ですので、時効に余裕があるとわかっている方でも、はやめに過払い金請求してください。

自分で過払い金請求する場合は特に時効に注意

過払い金請求は自分でも手続きできます。しかし、貸金業者は司法書士や弁護士から依頼されたものを優先して、個人からの依頼の対応は後回しされる可能性があります。

時効が迫っている可能性がある方、時効がいつなのかわからないという方は、はやく手続きを進めないと取り戻せるはずのお金を取り戻せなくなってしまう可能性があるので、まずは司法書士や弁護士にご相談ください。

3) 過払い金請求の時効の判断がむずかしいケース

過払い金請求の時効は最後の取引から10年が基本になりますが、同じ貸金業者から借り入れと完済を繰り返している場合は、時効の判断がむずかしいです。

複数の取引をまとめて一つの取引として扱うことを「一連」、それぞれの取引をまとめず複数の取引として扱うことを「分断」といいます。

分断された取引の場合、時効はそれぞれの借金を完済した日になります。そのため、10年以上前に完済した借金に関しては時効をむかえています。

ただし、一つの貸金業者から取引を繰り返している場合、ほとんどの貸金業者は前回の基本契約のまま貸付をしていることが多く、一連の取引になる可能性が高いです。

一連の取引となる場合は、一番最近に完済した日が時効の起算日となるので、10年以上前に完済した取引が含まれていても過払い金請求をすることができます。

取引が一連として扱われるのか、分断の取引となるかの判断はむずかしくて、貸金業者はなるべく支払う過払い金を少なくしたいので、全て別々の取引という主張をしてきます。

その場合、取引ごとに最後の取引をしてから10年で時効が成立することになるので、取引によっては過払い金請求できないものも出てきます。

一連と分断は裁判でも争われるポイントなので、個人で判断するのではなく司法書士や弁護士に相談するべきです。

取引の一連と分断が争われるポイント

クレジットカードのキャッシングを利用していた場合

クレジットカードのキャッシングのように、原則として1つの基本契約のもとに借入と返済を繰り返し、空白期間中にも年会費を支払っていたようなケースでは、連続した1つの取引として認められることが多いです。

しかし、返済方法には注意が必要で、1回払いを利用していた場合は空白期間が短くても、貸金業者に分断と主張される場合があります。その場合は裁判することで、一連の取引と認められることが多いです。

消費者金融から借り入れしていた場合

消費者金融から借り入れした場合、完済してから次の借り入れまでの期間が「365日」以内であれば一連と判断されるケースが多いですが、各取引の内容・条件・経緯が違っていた場合は、空白期間が1年以内でも分断となる場合もあります。

貸金業者によっては、完済してから次の借り入れまでに3か月以上経過すると契約番号が新しいものになって、自動的に分断として扱うことがあります。また、取引の内容、条件、経緯にかかわらず貸金業者に分断として扱われて時効の成立を主張される可能性もあります。

過払い金の消滅時効をめぐる争点の例

貸付停止措置について

返済が滞ったことで、貸金業者から借り入れを停止されて(貸付停止措置)返済のみを続けていた場合、最後の取引日からは10年経っていなくても、貸付停止措置をした時から時効を数え始めると主張されることがあります。

貸付停止措置がとられているということだけで、貸付停止措置をとられた日から消滅時効が進行すると判断されることはまずありませんが、争点になるので回収までの時間がかかる可能性があります。

1回払い方式の取引について

一部の事務所の「過払い金調査」や「無料診断」では、貸金業者の立場で時効の有無を判断して、一連の取引であるにもかかわらず、貸金業者の主張に沿って、依頼者に「一度完済した部分までの過払金は時効です」などと報告することがあります。

信販系の貸金業者に多い「1回払い方式」の取引では特に問題が多くて、1回払い方式について、裁判では一連の取引と認められるのがほとんどです。

本来、1回払い方式については、一連の取引と認められることが多くて、貸金業者の立場で、時効の成否を判断すべきものではありません。

仮に依頼した事務所が、簡単に過払い金を回収ができる事案だけを選別して受任しようとすると、貸金業者が争ってくる取引については受任を避ける必要があるので、簡単に手続きが済むように貸金業者の立場で消滅時効の成否を判断することになるということです。

どの事務所に過払い金の調査を依頼しても同じだと思って依頼してしまうと、知らないうちに回収可能な過払い金を回収できないことがあるので、時効の成否の判断は、実績のある司法書士や弁護士に依頼して判断してもらうべきです。

4) 過払い金請求の時効をストップさせる方法

もう少しで消滅時効が成立してしまうといった場合や時効が成立してしまっているかもしれない場合でも、消滅時効の進行は中断させることができます。

時効が中断すると時効が残り1年のまま止まるわけではなくて、時効が成立するのが中断した時からさらに10年先に延びます。

裁判以外の方法で時効をストップ

一時的に時効をストップする方法

貸金業者に過払い金返還請求書を送ることで6か月間、時効を止めることができます。

過払い金返還請求書は内容証明郵便※で送付するので、貸金業者が時効の成立を主張したとしても内容証明郵便でいつ時効の中断をしたか証明できます。

※内容証明郵便とは「いつ」「誰が」「どのような内容の書類を」「誰宛に」差し出したのかという事を郵便局が証明してくれるもので、貸金業者が「過払い金の返還請求書なんてきていない」という事を防げます。

取引履歴開示請求だけでは時効は中断しない

過払い金返還請求書を送るためには、過払い金の額を正確に算出しないといけません。

過払い金の計算をするためには、取引履歴を取り寄せてお金を借りたときの金利を利息制限法に当てはめて過払い金の計算(引き直し計算)をします。

過払い金返還請求書を送ることで時効は止まるのですが、取引履歴の開示請求をしただけで安心してしまう方もいらっしゃいます。しかし、取引履歴の開示請求は過払い金の返還を求める通知ではないので、時効は止まりません。

取引履歴が開示されたら最後の貸付日、最後の弁済日を確認して、自分の借り入れの時効がいつなのか確認したうえで、過払い金返還請求書を送るまで必ず手続きしてください。

過払い金請求の裁判をおこして時効をストップ&リセット

訴訟の提起による中断

訴訟の提起とは裁判を起こすことです。過払い金請求の裁判を起こすことで過払い金請求の時効をリセットすることができます。

「裁判」といわれると恐いイメージや、時間や費用がかかるので裁判をしたくないと考える人もいると思いますが、過払い金請求の裁判をすることで返還される過払い金の額が多くなって、貸金業者との交渉を続けるよりもスムーズに手続きできる可能性が高くなります。

訴訟には「通常訴訟」と「少額訴訟」があって、少額訴訟となるのが、請求額が60万円以下の場合で、必ずしも1回で終わるとは限りませんが、基本的に1回で終わらせようとするのが特徴です。

貸金業者から通常訴訟への移行の申し立てがあると通常訴訟をすることになります。

通常訴訟でも、貸金業者が1回目の裁判期日までに答弁書を提出しなかったり、請求をすべて認めている場合は1回目の期日で裁判が終結し、即判決が言い渡されることがあります。

支払い督促の申立てで中断

支払督促の申し立てとは、裁判所から貸金業者へ過払い金の支払い命令である督促状を出してもらう事です。支払督促をして過払い金を取り立てることで時効がリセットされます。

貸金業者の住所を管轄する簡易裁判所に申し立てする必要がありますが、書類審査のみで裁判所にいく必要はありません。

ただし、督促状を受け取った貸金業者から2週間以内に異議申し立てがあった場合、通常訴訟へ移行します。過払い金請求の場合、貸金業者が異議申し立てをしてきますので、裁判になる可能性があります。

過払い金返還請求の準備中に時効が成立してしまうと過払い金請求ができなくなるので、時効が迫っている場合は、はやめに司法書士や弁護士にご相談ください。

5) 10年経過しても過払い金請求できる条件

過払い金請求は最後に取引した日から10年たつと手続きができなくなりますが、例外があって最後に取引した日から10年以上たっていても過払い金請求できる場合があります。

10年前に一度完済していても、再び同じ貸金業者からお金を借りたことがある場合

最後に取引をした日から10年経過してしまうと過払い金返還請求が難しくなりますが、過去に途中で一度完済している場合は過払い金請求できる可能性があります。

例えば10年前に途中で一度完済していても、その半年後に再び同じ業者からお金を借りたことがあれば、過払い金返還請求ができます。

途中で一度完済した日から次の取引までの期間によっては、過払い金請求がむずかしくなる場合もあります。裁判所によっても判断が分かれていますので数ヵ月以上の空白期間がある場合は注意が必要です。

完済してから次の借り入れまでどの程度の期間があいてるか覚えていない場合は、司法書士や弁護士にご相談ください。

貸金業者との取引に不法行為があった場合

貸金業者からの取引で不法行為があった場合は最終取引日からの10年ではなく「過払い金の発生を知った時から3年」が時効となります。

貸金業者の不法行為に該当する主なものが

  • 3人以上での訪問
  • 毎日の電話や嫌がらせによる取り立て
  • 法的根拠がないことを知りながらの請求
  • 午後8時~午後9時以外の時間帯での取り立て
  • 暴行や脅迫による返済の督促

「法的根拠がないことを知りながらの請求」というのは、過払い金が発生していて、借り入れした人には、支払い義務がないのを知ったうえで、貸金業者が借り入れの督促を続けるなどの行為が該当します。

消滅時効になった過払い金と現在ある借金を相殺できる場合

6) 改正民法による過払い金請求の時効の変化

2017年5月26日に民法改正されることが成立し、6月2日に公布されました。

この改正民法は一部の規定を除き2020年4月1日から施行されます。そして、改正民法では消滅時効の規定がかわり、次のどちらかの早い方で時効が成立することになります。

  • 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年
  • 権利を行使することができる時から10年

過払い金についての時効については改正民法施行日(2020年4月1日)の前に完済して発生した過払い金については「最後の返済日から10年」という従来の時効が適用されますが、改正民法施行日(2020年4月1日)の後に完済して、発生した過払い金は「権利を行使することができることを知った時から5年」が該当する可能性があります。

ただし、過払い金についての時効については、改正民法施行日の前に完済して発生した過払い金については「最後の返済日から10年」という従来の時効が適用されますが、改正民法施行日(2020年4月1日)の後に完済して発生した過払い金は「権利を行使することができることを知った時から5年」が該当することがあります。

しかし、法律や時効の判断はむずかしいので、個人で判断するよりも弁護士や司法書士などの専門家に相談するべきです。

7) 時効間近の過払い金請求は落ち着いて専門家に相談

過払い金請求は時効が成立していなくても、貸金業者がいつ倒産や貸金業者の経営不振が原因で過払い金が取り戻せなかったり、返還率を下げる可能性もあるので、一日でも早く過払い金請求するべきです。

みどり法務事務所では、時効の期限が迫った過払い金請求を数多く対応しており、契約内容や最後の取引の日付があやふやな場合でもご相談いただけます。

また、経験豊富な司法書士が一円でも多く取り戻したい、返還されるまでの期間をなるべく短くしたいなどご相談者様の要望に沿うように最善の方法を提案いたしますので、まずはお気軽にフリーダイヤルやメールフォームからお問い合わせください。

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