知っておきたい本人以外の家族が代理で過払い金請求する方法

過払い金請求ができるのは、基本的には借入をおこなっている本人だけです。

本人以外が勝手に手続きすることはできません。

しかし、重い病気になった場合や、ひどいケガをした場合など、自分自身で過払い金請求ができない状況になった場合は代理請求ができる可能性が出てきます。

代理請求をするためには、本人からの委任状があることが前提です。

そのほかにも、本人以外が過払い金請求をする際には、さまざまな注意点があります。

過払い金請求ができないケースをしっかりと把握しておくことも重要になるでしょう。

ここでは、過払い金請求を本人以外が実施するときに知っておきたい情報を幅広くまとめています。

代理で手続きするには

過払い金請求をする本人の意思と委任状が必要

代理で過払い金請求をするためには委任状が必要になります。

委任状があれば、家族などが本人の代理で過払い金請求をおこなうことが可能になります。

委任状

代理権を与えたことを証明する書面のこと。

場合によりその一部 (たとえば代理人の氏名) を白紙にして交付されることがある。

委任状には「過払い金請求をおこなう意思がある」旨の記載が本人の手によって明記されていなければなりません。

本人に過払い金請求の意思があることをまず証明するのです。

本人にその気がない場合は、過払い金請求のメリットを教えてあげると良いでしょう。

そのほかに記載する内容としては、委任する人物、書類作成の日時、本人の署名と押印などが必要になります。

委任状なしで過払い金請求をおこなうと、「無権代理」と判断され、契約自体が無効になる可能性があるのです。

無権代理

代理権がないにもかかわらず、法的な代理行為を行ったり、代理権限を超えて代理行為を行ったりすること。

無権代理人の行為は本人に効果が及びばない(帰属しない)。

本人に過払い金請求をする意思がない場合

現在または過去に、両親や子供、親戚に借金をしていた方がおり、その方の過払い金を請求したほうが良いのではないかと心配している方もいらっしゃるかもしれません。

もし借金をしている本人に過払い金請求をおこなう意思がない場合は、説得するしかありません。

過払い金請求の手続きが面倒だ、二度と貸金業者とは関わりたくないという理由で今まで過払い金請求をしなかったということを言われるご相談者の方が多くいらっしゃいます。

もしご依頼いただければ、出来る限りご相談者の面倒をはぶき、たった1度面談のみおこない、その後の過払い金請求の手続きはすべて司法書士がおこないます。

貸金業者との直接のやり取りはございませんし、貸金業者からの嫌がらせなどは勿論ありません。

過払い金請求の最大のデメリットは、過払い金請求をせずに時効を迎えてしまうことです。

時効を迎えてしまうと、あとで過払い金請求する意思が固まっても、過払い金請求することはできません。

過払い金が発生している場合、過払い金請求の手続きをすることで、借金を完済している人は。過払い金が手元に戻ってきます。

また、借金を返済中の方は、借金を0にまたは減額することができるのです。

もし本人が、借金の返済を苦しいと感じているならば、一刻も早く過払い金請求をしたほうが返済が楽になります。

契約書や取引明細などの書類が手元に残っていなかったとしても、貸金業者の名前がわかれば、過払い金請求をすることができます。

また、貸金業者の名前を覚えていなくても、信用情報機関に問い合わせることで貸金業者の名前をこちらで調べることができます。

どうしても説得が難しい場合は、相談料無料のみどり法務事務所まで1度ご相談ください。

代理の過払い金請求

代理の過払い金請求を依頼する相手は大きく2パターンあります。

司法書士や弁護士などのプロ、もしくは家族や友人など身近な人に依頼する場合です。

司法書士などに依頼するのであれば、「委任契約書」に署名捺印する必要があります。

家族など親しい人に依頼する方が手軽で安心な感じがするのは確かです。

しかし、代理の過払い金請求は複雑なケースがよくあるので、プロに任せる方が無難といえるでしょう。

代理の過払い金請求が考えられるケース

本人が病気やケガで動けないケース

病気やケガで本人が動くことができないのであれば、司法書士や弁護士などに代理で過払い金請求を依頼することができます。

数週間で治る見込みがあれば回復を待つ方が良いですが、回復のめどが立っていないなら代理を依頼するようにしましょう。

過払い金請求には10年の時効がありますので、期限切れを防ぐ意味でも代理人が必要になります。

時効については複雑ですので、こちらにくわしく解説していますので、ご覧ください。

本人が認知症などで判断力がないケース

たとえ体は健康であっても、認知症などの要因で本人による過払い金請求ができないときは、代理の過払い金請求を検討すべきケースといえます。

認知症かどうかは本人では判断できにくいものですので、家族などまわりの人が気をかけてあげる必要があるでしょう。

認知症になってしまった場合は成年後見人が代理で過払い金請求することができます。

成年後見とは認知症などを患っている人を支援する仕組みのことです。

認知や判断能力に欠けた人が過払い金請求しても、過払い金請求は無効になります。
本人の代わりに成年後見人を選任するようにしましょう。

本人が亡くなっているケース

本人が亡くなってしまったとしても、借金の相続人であれば代理で過払い金請求をすることができます。

ただし、借金の額によっては過払い金請求がむずかしい場合があります。

借金の残高が過払い金の額を超えていなければ大丈夫ですが、そうでなければ相続人が借金を背負うことになるので注意しましょう。

いったん過払い金請求をすると、その遺族は相続を認めたことになり、後から過払い金以上の借金が判明した時に相続放棄ができなくなるのです。

状況によっては相続放棄も視野にいれて過払い金請求をするかどうかを考える必要があります。

相続放棄ができるのは、相続が発生した日から3ヶ月以内と限られています。

この期間中に債権債務が確定しなかった場合は、裁判所に相続の承認又は放棄の期間の伸長を申し立てなければなりません。

過払い金があると確信し、借金と相殺してプラスになる場合にのみ、相続人が過払い請求をする判断をしましょう。

過払い金請求には10年という時効があるので、借金を相続した場合は早めに過払い金について調査することをおすすめします。

相続した過払い金については、こちらにもくわしく解説しておりますので、ご覧ください。

専門家に相談することは可能

本人以外の家族が過払い金請求の相談を代理で実施することは可能です。

本人の代わりに家族が司法書士や弁護士などの専門家に相談することは珍しくありません。

専門家の意見を聞くことは、本人を説得するための有効なアプローチといえるでしょう。

そのまま本人に代わって専門家に手続きを依頼することもできますが、原則としては本人からの承認が必要です。

本人の意思を確認したうえで代理手続きをおこなうのが基本です。

手続きの際には面談や電話、郵送による契約書のやり取りなどで本人確認をおこなう流れとなります。

過払い金請求は専門的な知識が問われるので、家族だけで解決しようとせず、できるだけプロに相談する方が安心です。

代理で過払い金を調査するには

過払い金の引き直し計算に必要な取引履歴を取り寄せる

過払い金が発生しているかどうかを確認するには、引き直し計算が必要になります。

引き直し計算

過払い金を算出するために用いる計算方法のこと。

実際に貸金業者に支払った金額から、利息制限法による法定金利で返済を行った場合の金額を引くことによって過払い金を算出する方法。

引き直し計算は、こちらにくわしく書いてありますので気になる方は、クリック下さい。

引き直し計算をする理由は、どのくらいお金を借りて、いくらの金利で支払いしたのか把握する必要があるからです。

そのためには、貸金業者から取引履歴を取り寄せなくてはなりません。

取引履歴の取り寄せは、貸金業者のコールセンターへ電話連絡すれば教えてもらえます。

その際、取引履歴が必要な理由を問われることがありますが、「過去の履歴が知りたいので」と無難に答えておきましょう。

過払い金請求をおこないたい旨を正直に話してしまうと、トラブルになる可能性があるからです。

本人以外が取引履歴を取り寄せる場合、身分証明書などいくつか必要な書類があります。

親権者であれば、戸籍謄本または住民票を用意してください。

成年後見人の場合は、裁判所の選任決定書のコピーまたは後見登録の登録事項証明書を準備しておかなくてはなりません。

親権者以外の家族・友人・知人などの任意代理人であれば、開示請求委任状および本人の印鑑登録証明書が必要になります。

代理で取引履歴を取り寄せる場合に必要な書類

・親権者
戸籍謄本または住民票

・成年後見人
裁判所の選任決定書のコピーまたは後見登録の登録事項証明書

・家族・友人・知人などの任意代理人
開示請求委任状および本人の印鑑登録証明書

取引履歴を取り寄せる時に過払い金請求をおこないたいと言ってはいけない理由

先ほど、取引履歴を取り寄せる場合に過払い金請求のためとはいってはいけないとお伝えしました。

ではなぜ、過払い金請求をおこないたいと言ってはいけないのでしょうか?

貸金業者に過払い金請求をおこないたいと言ってはいけない理由

・ゼロ和解の申し入れをされる可能性がある

・非債弁済を主張される可能性がある

理由としては、ゼロ和解と非弁済の主張の二つが考えられます。

まずは、ゼロ和解について詳しく説明していきます。

ゼロ和解

借金返済中に取引履歴を取り寄せようとすると、貸金業者から「ゼロ和解」を提案されることがあります。

ゼロ和解とは、「借金をゼロにするので過払い金請求はやめないか」といった和解の提案です。

貸金業者は、過払い金請求にあたって少しでも自社の負担を減らすように動きます。

貸金業者がゼロ和解を提案してくるということは、借金をゼロにする以上に過払い金が発生している可能性が高いということです。

過払い金請求に慣れていない方だと借金をゼロにできるならと考えがちですが、安易に応じてしまうとほとんどの場合大きな損をしてしまいます。

したがって、ゼロ和解に安易に応じてはいけません。

取引履歴を取り寄せて引き直し計算をおこない、過払い金の金額を正確に把握することが大切です。

多額の過払い金が発生している場合は、きちんと過払い金請求をして取り戻しましょう。

「借金返済中の過払い金請求でもブラックリストにのらずにできる手続き」記事の4章―2「借金返済中のゼロ和解」を引用

貸金業者は、基本的に過払い金を払わないように行動してきます。

つまり貸金業者が、ゼロ和解を提案場合は、過払い金の発生している可能性が高く、その金の額が大きいからです。

それによって、過払い金請求の権利を放棄させられる可能性があるのです。

また、非弁済とはどういうことでしょうか?

非債弁済

非債弁済とは、債務がないのに弁済すること。

民法第705条に『債務の弁済として給付をした者は、その時において債務の存在しないことを知っていたときは、その給付したものの返還を請求することができない』と明記されています。

借金が残っている状態で取引履歴を取り寄せて引き直し計算をして、借金が0になると知ったのに返済を続けた場合は、支払ったものについて返還請求ができないということです。

非債弁済の主張が認められると、取り戻せる過払い金の金額が少なくなったり、過払い金をまったく取り戻せなくなる恐れもあります。

「過払い金請求は自分でできる 手続きの流れと注意すべきポイント」記事の2章―2「取引履歴を取り寄せるとき」を引用

このように貸金業者は、過払い金を減らしたり、無くしたりしようとして来るのです。

過払い金をしっかりと取り戻すためにも、トラブルにならないように事前に準備しておきましょう。
このような細かなポイントもご相談いただければ、お伝えさせていただきます。

過払い金の引き直し計算をおこなう

引き直し計算は司法書士や弁護士などの事務所に依頼しなくても、自分で計算することができます。

引き直し計算について詳しく知りたい方または過払い金請求を自分でする方法について知りたい方はそれぞれご覧ください。

一から勉強するのは大変なので、インターネット上に無料で公開されている引き直し計算のソフトを利用すると良いでしょう。

使い方はシンプルで、借入額や返済額、金利などをエクセルで入力していく形式が一般的です。

こちらがインターネットで公開されている引き直し計算ソフトの一例になります。

TDONの計算ソフト

TDONの計算ソフトページ

法律事務所向けのソフトウエア開発をおこなっているTDONのソフトです。

2018年5月現在、ダウンロード版の価格は3000円となっている有料ソフトですが、7日間の試用期間の間は無料で使用できます。

名古屋消費者信用問題研究会の計算ソフト

名古屋消費者信用問題研究会の計算ソフトページ

名古屋消費者信用問題研究会は、消費者問題に関連する被害予防や被害回復、消費者の権利保護・実現を目的として愛知県内の弁護士を中心に結成された研究会です。

愛知県内の弁護士を中心に結成された研究会が、無料公開している利息計算ソフトです。

エクセルのテンプレートを使っているため、パソコンにエクセルがインストールされている必要がありますが、ソフトウエア自体は無料で使用できるため人気のあるソフトです。

アドリテム司法書士法人の計算ソフト

アドリテム司法書士法人の計算ソフトページ

新潟県にある司法書士法人が、無料公開している引き直し計算ソフトです。

これもエクセルのテンプレートを使っているため、パソコンにエクセルがインストールされている必要がありますが、フリーソフトなので無料で使うことが可能です。

「過払い金の引き直し計算は、自分でできる」記事の2章「自分で過払い金の計算は可能」引用

簡単に計算できるとはいえ、引き直し計算は慎重におこなうようにしてください。

計算結果を間違ってしまうと過払い金の額が減ってしまう可能性がありますし、貸金業者からクレームを受けることもあり得ます。

最悪のケースでは、計算結果の間違いを口実にして過払い金の返還を拒否する業者もいるので注意しましょう。

代理で過払い金請求の裁判する

簡易裁判所で取り扱える過払い金請求

過払い金請求の和解交渉が難航し、思うように進まない場合は裁判を起こすのもひとつの方法です。

この手の裁判は、過払い金返還請求起訴と呼ばれています。

裁判所へ代理人許可申請書を提出することで代理人の出頭が可能となります。

しかし、裁判の代理を認めるかどうかは裁判官の判断次第です。

本人に代わって代理人が手続きをおこなえるのは簡易裁判所のみ、ということも覚えておいてください。

過払い金の裁判についてもっと知りたい方は、こちらもご覧ください。

地方裁判所が管轄になった過払い金請求

過払い金請求の額が140万円を超えると、簡易裁判所の枠を超えるため、地方裁判所で裁判提起しなくてはなりません。

地方裁判所で代理の手続きが認められているのは弁護士資格の保有者のみです。

弁護士に依頼するのがむずかしいようであれば、請求額を140万円以下に減らす方法を検討するようにしてください。

本人にかわって代理で行う過払い金請求はみどり法務事務所へ

過払い金請求は自分で手続きすることもできますが、委任状があれば本人以外が過払い金請求することが可能です。

司法書士や弁護士などの専門家に依頼することで、過払い金の引き直し計算や種類の準備など面倒な手続きはすべて専門家にお任せできます。

また、亡くなった家族の借金についても、相続人であれば過払い金請求が可能です。

なお、過払い金請求はご本人に過払い金の意思があることが絶対です。

ご本人に過払い金請求の意思がない場合は、親兄弟や旦那様・奥様より代理で過払い金請求についてご相談いただいた後、ご本人を説得することも可能です。

過払い金請求でわからないことがありましたらお気軽にお問い合わせください。

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